「クラシック音楽の楽譜が欲しいけど、どこで手に入れたらいいのだろう?」
「インターネット上で出ている楽譜はダウンロードしても大丈夫?」

こんな不安をもっているあなたに朗報です。

クラシック音楽の楽譜のみならず録音データも安全かつ無料でダウンロードできる便利なサイトがあるのです。

今回は、無料楽譜ダウンロードサイト「IMSLP」について、実際のダウンロード手順を画像付きで紹介しますのでぜひ参考にしてくださいね。

楽譜を無料でダウンロードできるサイト「IMSLP」とは

出典:IMSLP: Free Sheet Music PDF Download

分厚い楽譜を購入することなく、1曲だけサクッとダウンロードできたら・・・
そんな方におすすめしたいのが、著作権の切れた楽譜を無料でダウンロードできるサイト「IMSLP」です。

IMSLPとは、国際音楽ライブラリープロジェクト(International Music Score Library Project)の略で、無料で使用できる楽譜などのバーチャルな図書館を作成しようとするインターネット上のプロジェクトのこと。
別名ペトルッチ楽譜ライブラリー(Petrucci Music Library)とも呼ばれます。

2022年7月現在、楽譜データ655,000以上、録音データ74,000以上がダウンロード可能となっています。

著作権切れ(パブリックドメイン)について

IMSLPでダウンロード可能なのは、著作権切れ(パブリックドメイン)になった楽譜が中心です。
パブリックドメインとは、知的財産権(作曲家など作品の創造者が持つ所有権)が発生していない、あるいは消滅している状態のことです。

IMSLPはカナダの著作権法を遵守しており、基本的に50年以上前に出版され、出版物の著者のうち最後の者が没してから50年以上経過した楽譜がこれに当てはまります。収録されている楽譜には、「V/V/V」などの3つの記号が記されています。これは、各作品のカナダ/米国/EUでの著作権の状況を示すものです。

実は、著作権に関する規定は国によって違い、同じ作品の同じ楽譜であっても著作権が切れて無料ダウンロード可能がどうかが各国で異なる場合があるのです。
そのため、IMSLPが遵守するカナダの著作権法に触れないこととあわせて、米国・EUでの扱いについても記載されています。

注意すること

先程説明した通り、著作権の扱いは国によって大きく異なります。
日本では以下の通りとなっています。

著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)七十年を経過するまでの間、存続する。
引用元:著作権法 | e-Gov法令検索(第51条)

IMSLPでダウンロード可能であっても、日本の著作権法に触れるケースも考えられるため、収益の発生する演奏会などでの使用の際は、著作権上の問題が発生しないか確認しておくのがベストです。

こんな人におすすめ

IMSLPでダウンロードできるのは、著作権の切れた古い作品や個人が趣味でアップした楽譜がメインです。

作曲家に関する研究が進められ改訂版が出版されている楽譜も多いので、コンクールや演奏会に使用するというよりは、個人で楽しむのにおすすめ!1つの曲で色々なパターンの楽譜がアップされている作品もあるので、違いを見比べたり弾き比べるのも面白いかもしれませんね。

演奏会や発表会に向けての選曲段階で、楽譜を購入する前にどんな曲かさらっと弾いてみたいという演奏家やピアノの先生にもおすすめです。

IMSLPの使い方【作曲者名から検索する場合】

それでは実際に楽譜をダウンロードしてみましょう。
今回は、クラシック音楽家のみならず多くの方がご存じの名曲、ショパンの「ノクターン 第2番 変ホ長調(作品9-2)」の楽譜のダウンロードを例に手順をご紹介します。

①検索条件を設定する
メインページの検索窓の下、いちばん左の楽譜マークのカーソルを合わせ「Scores by Composer Name」をクリックします。

するとこちらが表示されるので、ショパンの「C」を選び、下にスクロール。「Chopin、Frederic」をクリックします。

②該当の楽譜を選択、ダウンロード
ショパンの作品一覧が表示されるので、「Nocturnes,Op.9」にカーソルを合わせ、右に出てくる「S(Score)」をクリック。

楽譜一覧が表示されたら、お好きなものを選んでダウンロード完了です。
ちなみに、プレビューを押すとこのように冒頭の楽譜だけ見られます。

作品9-1と9-2が入っているのでプレビュー画面は9-1になってしまっていますが、ちゃんと9-2もダウンロードされているのを確認できました。

ダウンロード前に下記のような注意が表示されますが、ショパンの作品は問題ないので「続行」をクリックしましょう。

ここで不安になる作品であれば、著作権について調べるか出版されている楽譜を買うのをおすすめします。

IMSLPを利用してみる

IMSLPの使い方【検索ボックスを利用する場合】

次に、同じ作品の楽譜を検索ボックスを利用してダウンロードしてみましょう。

①検索ボックスに直接入力
トップページの検索窓に直接「Nocturne Op.9-2」を入力し、検索ボタンをクリック。

すると下記のようにGoogleの検索結果が表示されます。

検索トップをクリックしてみると・・・

作曲家検索と同じ画面にたどり着きます。
あとのダウンロード方法はまったく一緒です。

Googleの検索結果の2つ目以降をクリックしても楽譜のダウンロードは可能ですが、1楽譜の種類がもっとも多いのはトップに出てきたURLでした。

IMSLPを利用してみる

まとめ

簡単に利用できるので、著作権の問題がない作品の楽譜を気軽に手に入れたい方にはとってもおすすめのサイトです!
筆者個人的にも使いやすいなと感じたので、演奏する曲に悩んだ時など、試し弾き用に利用したいと思っています。

日本の著作権法に違反しないかだけしっかり注意しながら、音楽を楽しむツールとしてぜひお試しください。